時雨の東方聖地巡礼記(懐古)Part2.1~大避神社

1.導入

どうも時雨です

Part2では,大避神社斑鳩稗田神社の3つの巡礼記を書いていこうかなと思います

今から5年前,高校1年生か2年生のころに行ったのかな,懐かしい

初めての聖地巡礼でした

旅の目的の多くは伝えないで,家族4人で行きました

参考画像使おうと思ってGoogleマップ見たら僕のクチコミが残っててびっくりしましたw 忘れてたので

昔の自分に助けられました

なお画像は現在の姿とは多少異なる可能性がありますのでご注意を

まずは大避(おおさけ)神社をば

 

2.大避神社とは?

大避神社は兵庫県赤穂市坂越の宝珠山麓にある神社です

祭神は大避大神(秦河勝天照皇大神春日大神

創建時期は定かではありませんが,播磨国総社縁起によると養和元年(1182)当時にはすでに有力な神社であったといわれています

現在の本殿は明和6年(1769),拝殿と神門は延享3年(1746)に再建されたものです 神門は神仏習合の影響を受け、随神と仁王像が背中合わせに配置されています

また,絵馬堂には40もの絵馬が掲げられ,280年前の貴重な船絵馬も現存しています(船絵馬としては日本では最古)

秋に行われる同神社の祭礼である「坂越の船祭り」は平成24年(2012)に国の重要無形民俗文化財に指定されています

 

3.いざ大避神社へ

坂越は,あの秦河勝ゆかりの地であるそうな 秦河勝は,秦氏の族長で,厩戸皇子の側近で,物部守屋征討戦に軍政人として従軍しました  推古天皇11年(603)太子よりさずかった仏像を安置するため蜂岡寺をたてた(建立は30年とも)とつたえられています 詳細は後で書くかもしれません とまあ入口に看板を見つけました

看板

これは多分神門

神門

いやアングルよ

で,これが拝殿

拝殿

そしてこちらが絵馬堂 航海安全祈願の絵馬もありますね(順風って書いてあるやつ)

絵馬堂

僕が撮ってGoogleマップに投稿してた絵馬は以下の2枚

これは楽祖秦河勝後裔である,元宮内省式部職楽部岡正雄及び岡余志子の絵なのでしょう(H10.9奉納)実際,秦河勝芸能の神としても信仰されています 「風姿花伝」第四によれば,聖徳太子秦河勝に「六十六番の物まね」を作らせ,紫宸殿で舞わせたものが申楽の始まりと伝えられており,秦河勝申楽(能楽)の始祖とされています

絵馬1

そしてこれは宮内庁楽部元主席楽長東儀俊美の絵でしょう(H13.9奉納) 

絵馬2

平成13年の9月とか僕の誕生日と近すぎんか

令和の今にも絵馬が新しく描かれて掲示されることはあるんですかね?

ところで宮内庁楽部の演奏する雅楽は国の重要無形文化財に指定されていて,ユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されています また,楽師は洋楽も習得しており,皇室の行事の際に演奏を行っているそうな 是非生で演奏を見聴きしてみたいですね

 

4.東方との関連など

秦こころ

秦こころは「面霊気」という付喪神であり,聖徳太子が作り秦河勝に送られた面(天使ケルビム(智天使)の像とされる胡王面)が時代を経て妖怪化しました 江戸時代の妖怪画集鳥山石燕著「百器徒然袋」にもその項があります この面は,現在も大避神社にあり,日本で現存する最古の雅楽の面として伝えられています

摩多羅隠岐

摩多羅隠岐は仏教の神摩多羅神であり,秦河勝と同一視されています 実際,民俗学書「闇の摩多羅神」では,「踊る神」だとか,人間の心身に宿る,「踊り狂う(狂わせる)神」などと書かれています ただし,様々な存在への信仰が習合し、多様な要素を同時に持ち合わせている神とされため注意されたい というのも,民俗学文化人類学書「精霊の王」では,摩多羅神は摩訶迦羅天(マハーカーラ,大黒天),吒枳尼天(タキニ天,ダキニ天),人食いでもあるそうです(「渓嵐拾葉集」の記録)こうした人食いは,ダキニ天のようなカンニバルであり,仏教的には障礙神・守護神,民俗学的には荒神,とされています とはあれまだ摩多羅隠岐奈の正体には不明な点が多く,諸説ありといった次第であります

また,飛鳥時代,東国の富士川周辺(現在の静岡県富士市あたり)でアゲハチョウの幼虫を常世神として崇める新興宗教が流行りました が,その常世神は「人心をいたずらに惑し害せしめるもの」として秦河勝に討伐されました(日本書紀より)その常世神は東方でいうエタニティラルバのモデルになっています

エタニティラルバ

なお,東方天空璋EXステージで自機としてチルノを選んだときの隠岐奈との会話で,

隠岐奈 そいつはアゲハチョウの妖精では無く 常夜神なのかもしれんな 私に敵対する神の一つだ

とあり,確かに,摩多羅隠岐奈は秦河勝と同一視されているようです

 

5.参考出典等

・東方元ネタwiki エタニティラルバや秦こころ,摩多羅隠岐奈について

https://seesaawiki.jp/toho-motoneta_2nd/d/%a5%a8%a5%bf%a5%cb%a5%c6%a5%a3%a5%e9%a5%eb%a5%d0

https://seesaawiki.jp/toho-motoneta_2nd/d/%BF%C1%A4%B3%A4%B3%A4%ED

https://seesaawiki.jp/toho-motoneta_2nd/d/%cb%e0%c2%bf%cd%e5%b1%a3%b4%f4%c6%e0#content_1_6

宮内庁楽部について

https://www.kunaicho.go.jp/culture/gagaku/gagaku.html

・大避神社のあれこれ

https://ako-kankou.jp/sightseeing/osake-shrine.html

秦河勝について(コトバンク

https://kotobank.jp/word/%E7%A7%A6%E6%B2%B3%E5%8B%9D-114672

風姿花伝における記述

https://roudokus.com/Fushikaden/04.html